みさえ「ひまわりは泣くしかしないし…もう…腹が立って腹が立って!」
ボーちゃん「だから、子供達に当たった?」
みさえ「だって!だって!貴方には分からないわよ!」
みさえ「子供もいないでしょ?それに借金取りには、返済を迫られる側の、生活を脅かされる側の気持ちなんか、分からないでしょお!!」
ボーちゃん「…」
ボーちゃん「しんちゃんは、決して能天気なんかじゃなかった」
みさえ「!」
ボーちゃん「幼稚園で普通にお馬鹿してた。でも、やっぱり普通じゃなかった」
ボーちゃん「何だか、怯えてた。ずっとお母さんや妹を心配してた」
みさえ「…」
ボーちゃん「それは、当時の担任の吉永先生が手紙にして、直接貴女に手渡した筈」
みさえ「何で…手紙の事…」
ボーちゃん「その話ぶりじゃ、手紙は読まずに捨てたんだね?」
ひろし「おいおい、今の言葉どういう意味だ?『当時の担任』って?」
ボーちゃん「言葉通りの、意味」
みさえ「…貴方…一体」
ブウウウン…
ボーちゃん「…着いたみたいだ」
ガチャ…バーン!
しんのすけ「父ちゃん!母ちゃん!ひま!」
みさえ「し、しんのすけ!」タタッ
ひろし「しんのすけ!」タタッ
みさえ「大丈夫?痛い事、されてない?」
ひろし「すまない。俺の所為で、怖い目に遭わせてしまって」
しんのすけ「ご心配なく!オラ、大丈夫だぞ」
ネネ「早かったわね」
みさえ「あ、あの時の彼女さん…」
ひろし「あの見えない聞こえないって人?とてもそうには見えないけど…」
みさえ「多分、嘘だったのよ」
ひろし「しかし、何でそんな雑な嘘をつく必要があるんだよ」
ひろし「いや、それより…此処って?」
しんのすけ「旅館だぞ」
みさえ「!」