ひろし「いや、呼んだだけ」
みさえ「何よそれ…」
ひろし「…何だか、決心が鈍りそう」
みさえ「…じゃあ、どうするの?」
ひろし「いや…」
みさえ「どうするのって、言うの?」
ひろし「…悪い」
みさえ「…」
みさえ「ガムテープを取って」
ひろし「あ…もう?」
みさえ「…こんな苦しい世の中に未練でもあるの?」
ひろし「…まさか」
ベリベリベリベリ
みさえ「ガムテープの目張りってこんな感じで良いかしら?」
ひろし「良いんじゃないか?」
ひろし「それより、暑いなあ。なあ、クーラーつけて涼しくしてから、練炭に火をつけないか?」
みさえ「…ふう、そうしましょうか」
ガアー…
みさえ・ひろし「はぁ…」
ひろし「涼しいー…」
みさえ「あ!そう言えば、この風の出る所も塞がなくちゃダメかしら?」
ひろし「あー…多分、そうだな」
ひろし「…あのさ、こんな事言ったら、怒ると思うけどさ」
みさえ「……なに?」
ひろし「こうやって、金以外の事で二人で喋って何かするのって、久しぶりじゃないか?」
みさえ「…そうね」
みさえ「最近は喧嘩ばかりで、この子達…しんのすけとひまわりに心配かけちゃったわね」
ひろし「…俺、久しぶりにこうやって、みさえと話せて楽しいって思ってるんだ」
みさえ「!」
ひろし「昔みたいでさ。今日は朝から楽しかったな」
ひろし「あ、未練とかそういうのじゃないぞ?ただ、それだけは言いたかった」
みさえ「…」