しんのすけ「むにゃむにゃ」
ひろし「…はあ…焦った。一瞬、起きたかと思ったよ」
みさえ「起きる筈なんてないわ。ジュースとミルクに睡眠薬を入れたから」
ひろし「しかしこいつらも可哀想だなあ」
みさえ「可哀想ですって?!二人だけ残す方が可哀想だって、あれだけ話し合ったじゃない!」
ひろし「そ、そうだけど…」
みさえ「もう後戻りは出来ないのよ。変な事は言わないで」
ひろし「ごめん…」
みさえ「ちゃんと、必要な物は積んでるんでしょうね?」
ひろし「ああ…何だったら確認してくれ」
みさえ「ええ」ゴソゴソ
みさえ「これはさっき、しんのすけが見つけた練炭ね」
ひろし「どうしてあいつはこれを見て、バーベキューとか言ったんだろう?」
みさえ「バーベキュー用の木炭と間違えたんじゃないの?」
みさえ「まあ、これでバーベキューが出来ないわけでもないけど」
ひろし「ああ、なるほど」
みさえ「他はガムテープ」
みさえ「睡眠薬」
みさえ「それから、遺書ね」
ひろし「…ああ」
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ひろし「見えてきたな」
みさえ「懐かしいわ。あの森、ひまわりが生まれる前にカブトムシを捕りに来た事があったわよね?」
ひろし「そんな事もあったな」
みさえ「あの頃は良かったわね」
ひろし「…」
ブウウウン……
ひろし「車で来られるのは、此処が限界か」
みさえ「そうね。此処で良いんじゃないかしら?」
ひろし「ああ、エンジン切るぞ」
みさえ「…」
ひろし「…」
みさえ「…」
ひろし「…みさえ」
みさえ「…何よ?」