それで部室の前に到着して、
いつも鍵が隠してある場所から鍵取って開けて、
部室の中入って忘れ物取って外に出て、
鍵閉めて鍵を元の場所に戻して、さっさと帰ろう…
ってなって自転車に乗ったんだ。
そしたら何か聞こえるんだよ。
なんつーか…ハイヒールあるじゃん?
あの靴の音がカツン…コツン…って
なんか近づいて来るんだよ。
それでやばい…とっとと帰ろうって思って
自転車のペダル踏もうと思ったんだけど、
体が動かないんだ。
その間にもどんどん靴の音は近づいて来る。
そろそろ電灯の下来る頃かな、
とか変に冷静に考えて凝視してたんだけど…
誰もいないんだ。
ただ、靴の音だけが近づいて来る。
本気でちびりそうになったんだけど
それを何とかこらえて動け動け動け動け!って
ひたすら思ってたら体が動く。
これ幸いと即効で自転車漕ぎだしたんだ。
そしたら靴の音がありえないくらい早くなって
俺を追いかけて来た。
なんかさ、もうすぐ後ろで音聴こえるんだよ。
で、俺思いっきりペダル踏んで自転車のスピード上げた。
多分あの時は限界突破してたんじゃないかと思う。