二次性徴が始まったばかりで、性的興奮で自分の体に生じる変化について、まだ十分把握できてなかったのかも・・・なんて理由付けはどうでもいい。
とにかく顔から火が出るほど恥ずかしかった。
今までの人生で最大の恥辱だ。
ヒロコはニヤニヤ笑いながら水着を引き上げ、一足先に着替えを完了。
考えてみたら、チョボチョボって事はハミ毛を押し込む必要もなかったんだな。
俺も急いで水泳パンツを穿こうとしたが、焦って勃起が上手く収まらない。
集団で気が大きくなったのか、女子共がクスクス笑う。
恥ずかしさも倍増だ。
何とかチンコを水着に仕舞い込み、女子の笑い声に送られてバリアーから脱出。
着替えを済ませてた他の男子から「なぁ、ヒロコの裸どうだった」と聞かれたが、「大した事ねーよ。てか、ほとんど見てねえし」と答えるのが精一杯だった。
プールは週2回だったんじゃないかな。
よく覚えてないが。
その後、プール授業が終わる9月半ばくらいまで、女子共の楽しみは続いた。
夏休み中、週3回ほどあった学年単位の『プール開放日』もそうだ。
開放日は他の学年が来ないから、男女別々の教室で着替えるんだが、なぜか俺は女子の着替え教室に連行される。
そして、周りに男子も居ないのにバリアー内で好奇の目に晒されながら他の女子と一緒に着替えさせられた。
まぁ女子の着替えを覗きに来るバカもいるから、バリアーを張る事自体は全く無意味じゃなかったかもしれん。
でも、今から思えばむしろ“これは着替えの一環”という体裁を整えるための儀式だった・・・気もする。
バリアー係は2グループ合同で、前年までより多い8~10人くらいかな。
その他の女子も外から興味津々で覗き込む。
総勢15人の視線が突き刺さる中、俺はいつも2~3人の女子と一緒に着替えさせられた。
一緒に着替える女子は「この間は◯◯ちゃんだったから、今日は××ちゃんね」という感じで決まってたらしい。
圧倒的に女子優位の環境で強気になるのか、日頃大人しめの子も、結構大胆に俺の前で服を脱いでたな。
運動神経抜群のキョウカはカモシカのような脚線美だけど、胸はペッタンコ。
肥満児のユカは、オッパイより腹回りの方が大きい感じだ。
クラスで一番目立たないシオリは、意外というか陰毛が一番濃かった。
あれから15年くらい経つけど、今でも10人くらいの裸はハッキリ覚えてる。
結果、夏休み前には女子全員の裸を一通り拝む事になった。
正直嬉しくなかったと言えば嘘になるが、やっぱり恥ずかしさの方が大きい。
股間を隠すと、バリアー共から「男のくせにー」と大ブーイングが飛ぶし、着替え終わってから、他の男子に「どうだった?」と聞かれるのも嫌だった。
ただ、“生け贄”になったのは俺だけじゃない。
俺以外に男子2~3人の中からプール授業の度1人が指名され、「今日は◯◯君ね」という感じで連れて行かれた。
嫌がると、「佐藤(俺)は着替えたのに、情けなーい」とバカにされる。
ま、指名された側も本心じゃ女子の裸を拝みたい気持ちがあるわけで、どいつも結局はバリアーの中に姿を消した。
「1回だけ」という奴を入れたら、バリアーに入ったのは男子15人中、最終的に10人近くに上ったんじゃないかな。
もっとも、中で一緒に着替えてくれる女子がおらず、単体でバリアーに囲まれて女子に見守られながら1人で着替えさせられた奴も何人かいたけど。
生け贄の男子はリーダー格のヒロコが中心になって、女子共から「今度は誰がいい?」とリクエストを受け付けて決めてたそうだ。
女子にも派閥みたいなグループがあったが、プールの時だけは一致結束してた。
この辺女子はシビアというか、最後まで1回も呼ばれない男子も5人ほどいた。
キモデブやオタクは最初から論外。
「フルフルチンチン♪」と歌ってたバカも、「1回でいいから中に入れて~」と土下座してお願いしたが、断固拒否されてた。
ちなみに、このバカ・・・アキオと言うんだが、信じられない事に今は地方公務員。
破廉恥系の犯罪で警察のお世話になった、という話は今のところ聞いてない。