悟空「まいったまいった。世の中わけわかんねーこといっぱいだな。空飛んだら目立つし、電車で帰るとすっか」
悟空は電車の乗り方など知らなかったが、改札を無視してホームに出た。
ラッシュ混雑時だったので誰が切符を持っていないかわからなかったし、改札のバーも悟空は気にせず通って壊してしまったのだ。
ベジータ「きさまー!女性専用車両は任意だろうが!なぜ、俺様が乗ってはいかんのだ!」
駅員「い、いえ、ですから私はお願いをしただけで」
ベジータ「何がお願いだ!いま、乗れませんと断言しただろーが!」
駅員「そ、そんな、お願いをしただけです」
悟空「おう、ベジータ、おめーも電車か。何怒ってんだ」
ベジータ「ふん、カカロットか。ちょうどいい、貴様も文句を言え」
悟空「文句?何にだ?」
ベジータ「俺が女性専用車両に乗っていたらこいつがここは女性専用車両だから乗れませんよと断言したんだ!」
悟空「えっ?女性専用だったらおめー、乗れねーんじゃねーんか。おめー男だろ」
ベジータ「バカヤロー!女性専用車両は任意だ!男性だろうがサイヤ人だろうが自由に乗れるんだ!」
悟空「えっ、そうなんか!オラ、てっきり専用って書いてあっから」
ベジータ「それにな、女性専用車両とそれ以外の混雑率を見ろ!女どもは座って快適、それ以外はぎゅうぎゅうだろーが!
にも関わらず俺にこのぎゅうぎゅうの方に乗れと言うんだ!」
悟空「あのぎゅうぎゅうの中に乗るのは嫌だなぁ」
駅員「いえ、私はお願いをしただけでして」
ベジータ「嘘をつけ!乗れませんと断言したら協力じゃないだろ!
だいたいこいつもだが専用なんて書くから誤解してるじゃないか!」
悟空「落ち着けよベジータ。この人は間違えただけだろ?任意なんだったら乗ろうぜ」
ベジータ「チッ、どこまでも甘いやつめ。裁判になると任意任意と裁判官に泣きつくくせに・・・くそったれぇ!!!」
駅員「電車、発車しまーす」
ベジータ「謝りもしやがらねぇ!」
発車した電車
悟空とベジータに視線が集まる。
女性(じーーー)
女性(ちらっ・・・ちらっ・・・じーーー)
女性(じーーー)
女性(ヒソヒソ)
悟空「???」
悟空「おい、ベジータ。オラの顔になんかついてっか?」
ベジータ「いや、何もついておらんぞ」
悟空「そっかー。いや、なんか見られてる気が・・・。ま、気のせいか」
ベジータ「気のせいなんかじゃない。こいつら女性専用車両に協力しない俺達が気に食わないんだ!」
悟空「えっ!だっておめーさっき任意だって言ったじゃねーか?」
ベジータ「ああ、任意だ。裁判で男性の任意協力の元なら運行していいとなっている!それなのにこいつら!」
悟空「それにここ以外はぎゅうぎゅうで足場もねーし。ここはそんなに混んでねーじゃねーか」
ベジータ「知らん!女どもに言え!」
悟空「お、おい、言いてーことがあるなら言えよ。見られてたら感じわりーしよー」
女性(じーーー)
女性(じーーー)
女性「キモ(ボソッ)」
女性「・・・(睨みつけてる)」
悟空「お、おい」
女性、さっと携帯電話を出してメール打つふり
悟空「え・・・、お、おい」
女性、さっと視線をそらす
悟空「ちょ、おい・・・オラ達他の車両が混んでるし、任意だから乗ってっから悪くねーぞ。なのになんなんだよー」
ベジータ「無駄だ!カカロット。聞く耳等持たん。」
悟空「でもよー・・・なあ、おめーさっきオラの方見てたろ」
女性、携帯電話をイジルふり
悟空「なあってば・・・なあ!」
悟空、女性の肩に触れてしまう
女性「キャアアアアアアアアアちかーん」
悟空「え?いや、オラは」
女性「痴漢よ!痴漢ーー」
悟空「違うって。オラは・・・それに肩じゃねーか」
女性「痴漢痴漢ちかーん、誰かー」
悟空「お、おい、そもそもおめーがオラの方み見るから・・・」
ベジータ「バ、バカヤロウ!女に少しでも触れたら男は終わりなんだ!もう間に合うんぞ!」
悟空「ベ、ベジータ、だからオラは・・・」
次の駅で駅員や警備員が乗り込んでくる