延々と続くないものねだりのループ。クモの糸みたいに絡み付いて、彼女を想う
胸の苦しさは日を追うごとにますますひどくなるのだった。
こんな風にして、日々、彼女への想いを募らせながら、時間はあっという間に
過ぎていった。そして3回目の契約更新と料金の振込みが終わり、それから
一週間が経った頃、運命の日は突然やってきたんだ。
その日は日曜日で久しぶりの晴れの日だった。俺は洗濯や掃除をしながら
ダラダラとテレビを見たりしながら過ごしていた。
夕方ごろに彼女からメール。
「今日は飲み会だから夜はメールできないかも」
がっかりしたけど仕方がない。この2ヶ月ちょっとの間、たまにこういうことがあった。
彼女にも忙しい時間は当然あるわけで、異議の申し立てなんてできるはずがない。
「楽しんでおいで」とちょっと大人ぶった態度をとって、俺は寂しい週末の午後を
過ごすことになった。
この頃、彼女とのメールの内容は一部のNGを除けばかなり深い話ができる位に
なっていた。それでも彼女に彼氏や好きな人がいるのかなんて聞けるはずもない。
NGのど真ん中だし、仮に彼氏がいるなんて言われた日には、この擬似恋愛は
成り立たなくなっちゃうだろ?
彼氏がいたら、違う男とこんなにメールができるはずがないと、希望的観測で自分を
慰めてはいたけど、もしかしたら、こんなことを許す心の広い彼氏だっているかも知れない。
どこか男の家に泊まりにいってるのかもしれない。今日は合コンなんじゃないか。
そんな疑念が浮かぶたびに、また俺の胸は締め付けられた。
なるべく考えないように頭の中からそうした考えを振り払い、寂しくコンビニ弁当を食べて
週末の夜をひとり悶々と過ごした。
翌日は仕事なので、0時を過ぎた頃に彼女にオヤスミメールを出し、
返事を待たずにベッドに入った。今頃どうしているのだろうと、中々寝付く
ことができず、寝返りばかりうっていた。