期待感で頭はいっぱい。不毛な会話のシミュレーションをひたすら続け、待ち合わせの
時間をひたすら待ち続けた。今にして思えば、マンガもネットもやってないんだから、
普通の喫茶店でよかった気がするね。もったいない。
ようやく待ち合わせの時間が近づき、ファミレスへと向かった。それでも早く着きすぎて
20分くらい店の前で待つ羽目になったけど。店員の子がようやくやってきて、待たせて
ごめんと言い、俺たちはファミレスの店内へ入った。
店員の子は名前を川嶋さんと言った。彼女は専門学校生で、去年の春、美紀と同じ時期に
あの店でアルバイトをし始めたのだという。
まず俺は川嶋さんがどこまで俺のことを知っているのか聞いてみた。
川嶋さんは先週の日曜の件以外は、大体を把握しているようだった。
美紀がお金に困っていたこと。ポイントカード作成時に俺のアドレスを調べたこと。
俺と有料でメル友になったこと。1日のメールの往復回数がとんでもなく多かった
ことや、同じタイミングで映画を見た話。
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ただ、先週の金曜日に俺が酔っ払った彼女を家に連れ帰り、彼女がその後この
メールのやりとりを止めると言い出した話は知らないようだった。それどころか
まるで信じられないといった表情で
「あんなに楽しそうにメールしてたのに、なんでそんなこと言い出したんだろう」
と彼女は言った。この一言で俺はかなり救われた気分になった。お金のために
嫌々メールしてたのではなかったんだ。やっとそう確信することができた。
「彼女は楽しそうにメールをしてたの?」
さらに確認するように俺は聞いた。川嶋さんが言うには、初めの方こそメールの
やり取りが大変そうだったけれども、美紀にとって、俺とのメールはすぐに生活の
一部になっていったそうだ。
