女「この状況で聞けるって、あなたすごいですね」
男「たしかに僕は素人童○ですけど、女性ひとりを満足させるぐらいのテクニックなら……!」
女「タヒね」
男「僕たち会ってから、まだそんなに仲良くないですよ!?」
女「抱かせてくれって言うよりはマシです。ていうか、自禾殳してください」
男「ついには自禾殳勧告をするとは」
男「しかもなぜかマクドナルドに来てますし」
女「今日の夕飯はここにします」
男「え?」
女「ついてきてもかまいません。でも、ここで食べることは決定ですから」
男「ハウスで食べるって選択肢は?」
女「ありません」
男「わかりましたよ。僕は食べませんけどね」
女「……拗ねてるんですか?」
男「そりゃあねえ。なんでこんなチェーン店なんかで……」
女「ふーん。じゃあ入りますね」
女「てきとうに決めましたけど。あなたは食べないんですか?」
男「お腹すいてないんですよ」
女「だったら席をとっておいてくれればいいのに。
あなたが童○な理由が垣間見えますね」
男「……なんかだんだん馴れ馴れしい、っていうかふてぶてしくなってません?」
女「あなたにだけは言われたくないですね、トウシロさん」
男「……」
女「……」
男「……」
女「なんで急に黙るんですか」
男「いいから早く食べましょう」
女「そんなにわたしの部屋に入りたいんですか」
男「いいえ。部屋じゃなくてもいいですよ」
女「わたしはどこでもイヤです」
男「ていうか、いいから早く食べてください」
女「なぜそんなに急かすんです? 最後の晩餐なんですよ」
男「最後の晩餐がマックって、絶対にタヒんでから後悔しますよ」
女「フレッシュネスバーガーのほうがよかったかもしれませんね。
ていうか、わたしってマック好きじゃないんですよね」
男「……じゃあなぜここに足を運んだんですか?」
女「確かめるためです」
男「どういうことですか?」
女「空腹は最高のスパイスって言葉は知ってますよね」
女「あの言葉って人間のバグを端的に表してると思うんですよ」
女「お腹がすいてるって理由で、食べ物がおいしくなる」
男「ああ、なんとなく言いたいことがわかりました」
女「これが最期の食事だと思ったら、なにか変わるかなって思ったんです」
女「変われば、わたしはこれからタヒぬってことをより実感できますからね」
男「ハンバーガーの味はどうなんですか?」
女「よくわかりません。普段よりおいしい気もしますし、変わらない気もします」
女「ひょっとしたら、わたしは味の変化を認めたくないのかもしれません」
女「自分でも、どうしてそんなことを思うのかはわかりませんけど」
男「僕にはなんとなく、あなたの気持ちがわかりますよ」
女「気持ちわるいこと、言わないでください」
男「まあまあ。そう言わずに。僕の話を聞いてくださいよ」