バイト終えて家帰ると、彼女はもう部屋にいて。
ベッドの上で壁に持たれて、本読んでて。
ポケットから何か出して「貰っていいですか?」部屋に転がってたカラビナにカギ付けてて。
いいよ、って軽く言って。やっぱり彼女にはあわない持ち物だけど、喜んでるから良し、で。
その日は暑い上に配達きつくて、疲れてて。さっさと風呂浴びて、寝ころんだ。
その俺に、彼女はやたらまとわりついてきて。結局、昨夜と同じ態勢で、言葉無しで。
ただ、そうしてる時は不安げな表情がやわらいでて。いつの間にか、深く寝入ってて。
明るい中で寝顔見てると、あどけないと言うか、やっぱりまだ子供っぽさも感じて。
子守り。これは子守り。自分に言い聞かせて。色々抑えた。
入院までして検査して解った事はたった一つ。お婆さん、全く異常無しの超健康体。
脱水症状は、内職頑張りすぎたから、と言う程度の物で、後も引かなくて。
病院のご飯が量が多くて、食べるのに苦労したとか力の抜ける事言って、笑わせてくれて。
家戻れて、すぐ内職始めたお婆さん、少しは休めと言う彼女と早速軽いケンカしたらしくて。
「からこうたら、戻ってこんようなったんよ。」そう言って大笑いして。
また多分俺との事に引っかけて何か言ったんだろうなと思って、部屋帰った。
彼女は多分、ベッドにぽて、と倒れ込んだまんまの姿で伸びてて。俺に気付いて、膝抱えた。